無事に三日坊主を乗り越え4回目を迎えたピアプロ補完計画。
今回は、アルバム『わさび』収録の『ぐるぐる』です。
わさび / Chiquewa | KARENT
この曲はオリジナルがありまして、ルカ様10周年で発表したEP『北山ムーンライト』と同じ『いちくわCD Vol.4』(Baguettes Ensembleのいち君と作ったCD)収録で、東京を中心に活動をされているシンガー・神近まりさん(Uminekoさんの妹さん。Imonekoさん)に歌っていただいたのが原曲です。
いちくわCD Vol.4
とは言え、元々ボカロ曲として作ってあったものなので、アレンジはほぼ一緒です。
これまた歌っていただいたバージョンが秀逸でして、当初は「このままボカロバージョンは無しにしようかな・・」とも思ってましたが、やっぱり気に入った曲なのでミクちゃん(アペンド・ソリッド)にも歌ってもらったというワケですね。(※この頃までは今と違い、初音ミクもよく使ってました)
この曲みたいなリズムは「セカンドライン(ビート)」って呼ばれてます。
アメリカ南部ニューオリンズの黒人音楽のリズムなんだけど、実はコレお葬式で演奏されるリズムなんですねぇ。
お葬式の時にはパレードが街を練り歩くんらしいんだけど、第1列目(ファーストライン)は親族や友人などが厳かに、そして第2列目(セカンドライン)はバンドが楽器を演奏しながら進むそうです。
そして斎条(?)への行きは重く悲しい音楽を、帰りには明るくて楽しい曲を演奏するそうな。
これは人の死を「魂が解放され天に召されたことをお祝いしよう」と考えるからだそう。
辛い現実にもネガティブにばかりならず、明るく振る舞う黒人社会を象徴している文化なんでしょうかね。
セカンドライン(wikipediaより) |
ちょうどこの曲を作った頃に近親に不幸がいくつかあって、人の死というものを改めて考えさせられていて、こういう歌詞が生まれました。
「死」に対しては思想や宗教的な考えも入り混じってくるので、人の数だけ解釈があると思います。
幼い頃、恩師のイタリア人神父が「死を必要以上に恐れないように。死を恐れるのは当たり前のことで、人間が生きる最終的な目的は死への恐怖を克服すること」ということを教えてくれました。
死への恐怖と向き合いつつ、それを克服して幸せな最期を迎えるのは結局その人の生き方や考え方次第、といった感じでしょうか。
なので、間奏部分ではカズーでベートーベンの交響曲第9番『歓喜の歌』のモチーフが入っています。(『いちくわCD4』バージョンでは、ImonekoさんとUminekoさんご兄弟でゴスペル風に歌っていただいてます)
そうなんです。
この曲は「恐怖」や「悲しみ」の歌ではなく、「喜びの歌」なんですね。
・・でも、こういう話は苦手なので、何となくでもこの歌から伝わればいいな・・と思ってます。
カズー(パンダ仕様) |
有名なところだと、ドクタージョンの『アイコ、アイコ』(オリジナルはミシシッピーの民謡)とか、元Wham!のジョージ・マイケルの『フェイス』とかですかね。
参考1:Iko Iko - Dr.John
参考2:Faith - George Michael
このリズムはこのまま使われることも多いですが、姿を変えてR&Bやソウル、ロックなどにも多く取り入れられているアメリカを代表するリズムの一つだったりします。
長々と書いちゃいましたが、とても大切だけどシリアスになるので取り上げ辛いテーマを自分なりに昇華させた楽曲です。是非一度聴いてみてくださいませ。
じゃ。
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